読んで感じた『ハリーポッター』の洋書を初心者におすすめしない理由

洋書

『ハリー・ポッター』シリーズといえば、知らない人はいない超有名な本です。

ハリー・ポッターの洋書については、「初心者におすすめ」という意見もある一方、「おすすめしない」という意見もよく目にします。
そこで、実際はどうなのかを確かめるべく、『Harry Potter and the Philosopher’s Stone(ハリー・ポッターと賢者の石)』を読んでみました。

一冊読破した今、私はこの本は初心者向けではないと思います。

この記事では、私の読書体験をもとに、『ハリー・ポッターと賢者の石』を洋書初心者におすすめしない理由について解説します。

さいしょに

誤解がないように最初に言っておきたいのですが、「ハリー・ポッター」シリーズは素晴らしい作品だと思います(^^)

「おすすめしない」とは言っていますが、あくまでも、難易度の面で「洋書初心者におすすめしない」ということでご理解ください。

では、本題です!

『ハリー・ポッターと賢者の石』の洋書を初心者におすすめしない理由

『ハリーポッターと賢者の石』を洋書初心者におすすめしない理由は、主にこの2つです。

  1. 長い!
  2. 単語が難しい

細かいことを言うと他にもいくつか理由があるのですが、今回読んでみて、初心者におすすめしない理由として特に大きいと思ったのがこの2つでした。

それでは、順に解説していきます。

① 長い!

和書でも洋書でもいいので、手元に『ハリーポッターと賢者の石』があれば、厚みを見てください。
……厚くないですか?(^_^;)
この厚い本に、小さい文字で物語がびっしり書いてあります。
大ボリュームです。

私がこの本を読むのに費やした時間は、なんと合計で14時間30分
ちなみに日数でいうと14日間で、その日の気分や話の展開に合わせて、10分だけ読んで章の途中で止める日もあれば、一気に何章か読む日もありました。

読書方針として、

  • 分からない単語があっても、推測できたり、場面の理解に支障がなければ無視して進む
  • 逆に、話の理解に支障があるときは調べる
  • 登場人物や話の展開など、「なんだっけ?」と思ったら前のページを見てもOK

という方針を取ったので、たまに読書中に辞書を使ったり少し前に戻ったりして、この時間でした。
※もともとの読書スピードや長い英文への慣れ、語彙などによって、所要時間には個人差があります。

厚みからも、この所要時間からもわかる通り、この本は長いです。

体感的に、特に長く感じたのは、最初の方です。
読んでも読んでもなかなかホグワーツにたどり着けず、「まだ学校にすら着いてないのにこんなに長いなんて、本当に読了できるのか」と心が折れそうになりました。
実はこの本はホグワーツまでの道のりが遠く、全部で17章あるうち、第6章でやっとホグワーツ特急に乗り、その章の終わりでようやく学校にたどり着くんです。
結局、ホグワーツに着くまでに合計約6時間、日数でいうと8日かかりました(-_-;) 我ながらよく頑張ったと思います。
(ただし、ホグワーツに着いてからは物語が一気に面白くなり、実際には長時間読んでいても、体感ではそれほど長さを感じませんでした。)

特に初心者で長文を読み慣れていない人は、毎日少しずつ、スピードもゆっくり読むことになると思います。
でもそれだと、ホグワーツ到着までにかなり時間がかかるでしょう。
読了までにはもっと時間がかかります。
それだけの間、モチベーションを維持したり時間を確保したりするのは大変です。

私はこの記事を書くために絶対読了するんだという思いでホグワーツまでたどり着けたのですが、これがなければ途中でギブアップしたかもしれません。

初心者のうちは、もう少し短時間で読めるものにした方が、気軽に「洋書が読めた!」という喜びを味わえると思います。

②単語が難しい

以前、「児童書なので言葉が簡単」という意見をどこかで見た気がするのですが、私は全く同意しません(-_-;)

例として、最初の数ページで出てきた、私が知らなかった単語を一部挙げてみます。

perk(軽くキスする)、tantrum(かんしゃく)、tyke(子ども)、chortle(声を立てて笑う)、get-up(格好)、huddle(群れ)、swoop(舞い降りる)

最初の数ページだけでこんなにありました。これでもごく一部です。
私は一応 TOEIC最高スコア940点なので、単語をたくさん知っている方だと思うのですが……。

また、物語が進むと、上に挙げたような単語に加えて、bewitch(魔法にかける)などの魔法の世界ならではの単語もでてきます。

中には、文脈から意味の想像がつくものや、読み飛ばしても話の理解に影響がないものもあり、そういう単語は調べなくても読み進められます。
でも、知らない単語が多ければ多いほど、重要な行動やセリフが分からなかったり、話の展開が分からなくなったりする場面が出てきます。
こうなると、どうしても辞書を引くことになります。

読書中に何度も辞書を引くと、めんどくさいし、物語に集中できませんよね。
kindle端末ユーザーの方は辞書機能を使えば比較的手軽に調べられますが、それでも回数が多いと物語に集中しづらいことに変わりはありません。
読書というより、単語の勉強のようになってしまいます。

特に洋書初心者さんは、上級者に比べて語彙がまだ少ない人や、「分からない単語を読み飛ばす」という読み方に慣れていない人も多いと思うので、その分ついつい辞書を引く回数も多くなると思います。
まずは知らない単語が少ない簡単な本から読んだ方が、物語を楽しみやすいかもしれません。

初心者は読んじゃダメ?

さんざん文句を言いましたが(笑)、「初心者は絶対読むな!」というわけではありません。

私がお伝えしたかったのは、
「なんでもいいから洋書を読んでみたい」という人はもっと簡単な本がいいと思う
ということです。

読みたいと思ったなら、読んでみるのもありです。

特に、たとえばこんな人は挑戦してみてもいいかもしれません。

  • 『ハリーポッター』のファン
    ⇒多少分からない箇所があってもハリー・ポッターの知識で補えるし、なによりモチベーションの維持がしやすいです。
  • 長い本をよく読む読書家
    ⇒読書時間の確保がうまく、集中力もある人だと思います。洋書が長くても負けないかもしれません。
  • 大きな目標の方が燃える人
    ⇒『ハリー・ポッター』読了は間違いなく大きな目標です。途中で燃え尽きないように気を付けながら、目標達成を目指しましょう。

とにかく、楽しいのが一番! 読みたいと思う気持ちが大切です。

難しいと知って挑戦すれば、心の準備もできるし、読めなくても落ち込まなくて済みます。
「無理だと思ったら一回撤退すればいい」くらいの気持ちで読んでみるのもいいですね。

世界中で大ヒットするだけあって物語は面白いし、読んだあとの達成感はすごいので、「読みたい」と思ったなら挑戦してみる価値はあります!

簡単な本から読みたい人へ

ここまで読んで「もっと簡単な本から挑戦したい」という人におすすめなのが、YL(読みやすさレベル)0から徐々に難しい本を読んでいく方法です。YL(読みやすさレベル)とは、洋書の読みやすさを数字で表したもので、数字が大きいほど難易度が高いです。レベル0は絵本のような分量の少ない易しい本で、そこからだんだんレベルアップしていきます。

詳しくはこちらの記事に書いているので、よろしければ読んでみてください。
関連記事:洋書の難易度がわかる「YL(読みやすさレベル)」と各レベルの洋書

ちなみに、『Harry Potter and the Philosopher’s Stone』のYLは8.7で、とても高いです。難しいはずですね(-_-;)

映画が好きで「とにかく原作小説が読みたい」という人は、『チャーリーとチョコレート工場』の原作『Charlie and the Chocolate Factory』に挑戦してみてはどうでしょうか。初心者向けというには少し長いですが、少なくとも「ハリー・ポッター」よりは難易度が低いです(こちらの本のYLは4.5)。

関連記事:映画『チャーリーとチョコレート工場』の原作洋書 難易度と読破のコツ

まとめ

『Harry Potter and the Philosopher’s Stone(ハリー・ポッターと賢者の石) 』は名作ですが、洋書初心者にはおすすめしません。主な理由はこの2つです。

  1. 長い ⇒私は14時間半かかりました。
  2. 単語が難しい ⇒最初の数ページでさえ知らない単語がいっぱい…。

何でもいいから洋書を読んでみたい」という人は、もっと簡単な本を読んだ方がいいと思います

とはいえ、自分が楽しいと思うことが一番です。
「他の洋書ではなく『ハリー・ポッター』を読みたい!」という人は、とにかく挑戦してみましょう。
難しすぎると思ったら、一回撤退して、洋書慣れしてから戻ってくるのもいいかもしれませんね。

以上、あなたの洋書ライフの参考になれば幸いです(^^)/

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