翻訳者になろうと思ったら、「翻訳スクールに通うかどうか」は一つの悩みどころです。
結論から言うと、私は翻訳スクールは必須ではないと思っています。実際、私自身は翻訳会社ではない職場を退職後、翻訳スクールに通わずにフリーランス翻訳者になりました。
この経験から、翻訳者を目指す人には「まずは独学でやってみる」をお勧めします。
この記事では、独学をおすすめする理由とともに、それでも翻訳スクールが必要な人についてお話したいと思います。
翻訳者志望にまずは独学をおすすめする理由
最初に念のために書いておきますが、翻訳スクールやそこで学ぶ人を否定するわけではありません。
翻訳スクールで翻訳を学んで翻訳者になる人もたくさんいます。一方で、翻訳スクールに行かずに独学で翻訳者になる人もいます。
翻訳者になる方法はさまざま。自分にあった方法が一番です。
私が翻訳者になりたい人にまずは独学をおすすめする理由はこちらです。
- 翻訳スクールは高い
- 翻訳は独学できる
- 最後は実力勝負
それでは詳しく解説していきます。
翻訳スクールは高い
資格や仕事に直結するスクールって、高いですよね。
参考までに、翻訳スクール「フェロー・アカデミー」の通信講座を例に挙げると
- 翻訳入門<ステップ18>通常コース:77,000円(税込)
- 実務翻訳<ベータ>通常コース:63,800円(税込)
となっています。
手に職をつける代金と考えると安いのかもしれませんが、なかなか勇気がいる金額ではないでしょうか。独学だと、後述する方法でもっと安く学べます。
翻訳は独学できる
翻訳は独学できます。
一番安く済むのは、図書館で翻訳関係の本を探して勉強する方法です。
実はこの方法は私には合わなかったのですが(本のせい?)、なんせ無料。まだ翻訳者を目指すと決まったわけではない場合などは気軽に試せます。
有料でよければ、翻訳者ネットワーク「アメリア」をフル活用するのがおすすめです。アメリアは簡単に言うと、翻訳者や翻訳者志望の人向けの有料会員制サービスです。一番重宝するのは仕事を探すときですが、翻訳のスキルアップに使えるコンテンツも多く、私も翻訳者志望時代にかなりお世話になりました。
難易度や分量もさまざまで、一例としてこれだけのコンテンツがあります。
- 短い文章を訳す「翻訳お料理番」(賞品付き!)
- 分野を選べる長めの課題「定例トライアル」
- 超気軽に取り組める「1行翻訳」
アメリアは現役翻訳者はもちろん、翻訳者志望の方も入会できます。
入会金・年会費合わせて2万円ほどかかりますが、前述のスクールと比べるとかなりお安めです。
アメリアは翻訳者として初仕事を狙うときや、翻訳者になった後も重宝するので、本気で翻訳者を目指すなら入会しておいて損はないと思います。
詳しくはこちらの記事にまとめたので、興味があれば読んでみてください(記事の最後にもリンクを貼ります)。
最後は実力勝負
一般的に翻訳会社に登録するための選考は、「書類選考⇒トライアル(実技試験)」という流れで進みます。
書類選考では応募要件を満たしているかや関連業務の経験等を見られますが、私の経験上、要件さえ満たしていればここで落とされることはありません。
未経験者OKの求人の応募要件で多いのは、
- その分野の知識
- 基本的なPC操作
- 語学力
などです。
「翻訳スクールでの学習経験がある人」という条件も見たことはありますが、覚えている限り数回程度です。
スクールでの学習歴を根拠に、その分野の知識や語学力があることをアピールすることはできると思います。ですが、学歴(学部)や前職での経験、TOEICの点数など、他の方法を使って応募要件を満たしていると示すことも十分可能です。
そして次のステップであるトライアルでは、経歴ではなく翻訳のスキルを審査してもらえます。
つまり実力さえあれば、翻訳スクールに通ったかどうかは関係なく採用してもらえるということです。
これなら「迷ったらまずは独学」でもいいと思いませんか?
それでも翻訳スクールが必要な人
ここまで独学をおすすめしてきましたが、翻訳スクールに行った方が良い人もいます。
例えばこんな人は翻訳スクールを検討したほうが近道かもしれません。
- 独学が苦手な人
- アピール材料が欲しい人
- 独学の期間が長い人
独学が苦手な人
独学では、自分の訳文とお手本を見比べて、自分で添削・確認する必要があります。分からないところがあっても、解説に載っていなければ自分で調べないといけません。また、〆切やノルマがあるわけではないので、学習計画も自分で立てる必要があります。
こういうことが苦手な人は、翻訳スクールで学んだ方が効率的に学習できます。
アピール材料が欲しい人
未経験者が仕事に応募する際に困るのが、アピール材料です。
経験者であれば今までの実績を書けばいいのですが、未経験者はTOEICの点数や留学経験といった英語関連の経歴や前職での業務経験などを書くことになります。
でも、TOEICはともかく、留学経験や応募する分野に関係した前職経験なんて、誰にでもあるものではないですよね。
そんなとき、翻訳スクールを修了したことは立派なアピール材料になります。
「書類選考で落とされる」「プロフィールに書くことがなくて応募に踏み切れない」という人は、少しでも有利な材料を増やすために、スクールを検討してもいいかもしれません。
独学の期間が長い人
何年も独学で勉強している方、そろそろ求人に応募してみませんか?
「うーん、もうちょっと…」と思ったら、翻訳スクールの出番かもしれません。
応募できない理由は、「まだ自信がないから」「実力が付いていないから」「区切りがつかないから」など様々だと思います。
独学だと実力アップを感じにくかったり、終わりを決められなかったりしますよね。
独学でやってきて応募に踏み切るための自信や区切りがつかなかった方は、「これを修了したら応募する」と決めてスクールを利用するのも手です。
ここまで頑張ったんだから、実務に挑戦しないともったいないですよ!
さいごに
以上、翻訳者になるのに翻訳スクールが必要かについて、独学でフリーランス翻訳者になった立場から意見を書いてみました。
迷っているなら、まずは今日から独学で勉強を始めてみてください!
「スクールにしようかな…」という人は、ホームページや資料請求で受講期間と料金、仕事獲得までのサポート体制のチェックを忘れずに。
ちなみにアメリアの会員なら大手翻訳スクール「フェロー・アカデミー」の割引が受けられるので、会員の方は少しお得です。
翻訳者デビューを目指すあなたに少しでも参考になれば幸いです。
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